会長挨拶

第33回日本救命医療学会総会・学術集会

会長 松田兼一

山梨大学医学部 救急集中治療医学講座 教授

第33回 日本救命医療学会総会・学術集会の開催にあたって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このたび、第33回日本救命医療学会総会・学術集会会長を仰せつかりました、山梨大学医学部救急集中治療医学講座の松田兼一でございます。大変光栄なことと学会員の皆様に深く感謝いたします。
 学会のテーマを“救命医療 -次の頂きへ-”とし、平成30年9月21日(金曜日)22日(土曜日)の日程で、山梨県甲府市にございます山梨大学甲府キャンパスにて開催いたします。救命医療における治療技術が昨今著しい進歩を遂げているものの、改善・進歩の余地がまだまだ充分にあり、我々はその先を目指して進んで行かなければならないという思いをこのテーマに込めました。
 特別講演として千葉大学名誉教授で国際医療福祉大学大学院特任教授の平澤博之先生に「Critical CareにおけるLess is More」についてご講演頂きます。救命医療におけるこれまでの進歩を振り返りその功罪について考える貴重な機会になると確信しております。また救命医療における治療技術として、脳に対する低温療法と肺に対するECMOを取り上げ、第一人者の方々に座長及びシンポジストをお務め頂き、その現状と未来についてご議論頂く予定です。さらに、心に対するPCPSと腎に対する血液浄化療法を取り上げ、「CPAにPCPSは有用か?」「敗血症にnon-renal indication RRTは有用か?」のタイトルで2題のdebateセッションを設けました。新しい取り組みとして演者の先生方に無理を申し上げ、本debateセッションを2ラウンド制にいたしました。つまりProの立場とConの立場から各ラウンドで、攻守交代してご講演頂き、お一人で両方の立場からご意見を主張して頂くことにしました。とても興味深い議論が展開されると信じております。救命医療のプロとして、我々は最新の治療における功罪を十分理解した上で治療の適応を考えなければなりません。救命医療を行う際に我々は心の中でProとConのそれぞれの考えを常に思い巡らし,患者さんの目の前で日々葛藤しています。治療そのものの理解だけではなく第一人者の方々の日頃の考え方も参考になると思います。楽しみにして下さい。
 実り多い学会になるためには、これらの特別セッションのみならず皆様からの貴重な演題が必要不可欠です。ふるってご応募頂ければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。



平成30年4月吉日